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論理集積回路は、知的システムを集積チップ上に実現する現代社会の基盤技術であり、あらゆる産業製品や社会基盤の質を決定します。本プロジェクトは、エネルギーを使わずに記憶を保持する不揮発性スピントロニクス素子と半導体集積回路を融合することにより、大きな発展を遂げてきた論理集積回路の設計・製造法に根源的革新がもたらされることを明らかにしました。
「最先端研究開発支援プログラム」の一つとして採択された本プロジェクト「省エネルギー・スピントロニクス論理集積回路の研究開発」(中心研究者大野英男)では、スピントロニクス素子との融合が集積回路にもたらす大変革を実証するとともに、論理集積回路における世界のイノベーションサイクルが日本を軸として回る体制を構築することを目指して活動してきました。
平成22年3月に東北大学に設置された「省エネルギー・スピントロ二クス集積化システムセンター」を拠点とし、スピントロニクス材料・素子・回路の研究・開発を並行して推進することにより、他の追随を許さないスピントロニクス論理集積回路の基盤技術体系(研究開発、製造から回路設計までが統合された体系)と、集積回路試作環境を構築・整備しました。さらに、スピントロニクス論理集積回路が有する、従来レベルを遙かに超える高性能・省エネルギー性、ならびに演算と記憶が一体化した新しい集積化コンピューティングシステムとしての革新性を実証しました。加えて、スピントロニクス論理集積回路のオープンイノベーション拠点を我が国に形成し、世界の研究開発の中心となって、技術体系のデファクトスタンダード化を図ることを目指し、さらに、このダイナミックな過程を通し人材育成を行いました。
平成21年度の3月から研究に着手し、ようやく材料・素子技術に関し世界に誇れる成果が得られ、さらには200mmウェハ試作による回路動作実証も行った矢先に、平成23年3月11日に東日本大震災が発生しました。研究施設・設備等に大きな被害を被りましたが、多くの方々のご協力とご支援を頂くことができ、プログラムメンバーが力を一つにして復旧作業を進めて、3~4ヶ月後には研究の再開にこぎ着けました。ここに改めてご関係の皆様に深く感謝いたします。平成23年度には、300mmウェハ試作による回路実証へと進み、得られた成果を世界トップレベルの国際学会(2012 VLSI Symposia)に6件の論文として発表しました。平成24年9月には中間評価が行われ、『目標の達成見通しについて、研究計画に沿って順調に研究開発が進捗しており、目標の達成は可能と見込まれる評価を得て、プロジェクト(事業)を継続』との総合判断を頂きました。最終年度の平成25年度は、本プログラムに参加した組織および協力組織の連携・支援によって数値目標(遅延×消費電力×面積で従来技術の1/64以下)を実証することができました。今後は、本プログラムの成果を広い意味の日本の富として還元できるよう、実用化も含めて更に研究開発を進めてまいります。どうかご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
中心研究者 : 大野 英男
東北大学
省エネルギー・スピントロニクス
集積化システムセンター支援室
〒980-8577
宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
TEL : 022-217-6116
E-mail : siencsis.tohoku.ac.jp
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東北大学 省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター